ワキガ手術の後に感じる術後臭とは?原因と対策について

ワキガ手術を受けるうえでよく耳にするウワサ…。それは、「ワキガ手術を受けると術後臭がする」というものです。術後臭って、一体何?今のワキガの臭いよりも気になるものなの?臭いに敏感な今だからこそ、不安に思ってしまうウワサですよね。

このウワサは本当なのでしょうか?今回は、気になる術後臭の正体に迫ってみました。

術後臭とは?

術後臭とは一体何なのでしょうか?Wikipediaを見てみると、術後臭についてこのように書かれています。

<引用>一部の術後患者に術後臭と呼ばれる症状を訴える者があり、腋臭症は改善されても、全身のアポクリン腺が存在する可能性のある部分から臭いが発生するというものである。医者にこのような症状を認める者は少なく、この症状が実際に存在するものなのかどうか正式には解っていない。場合によっては、精神科医の診察を受診することが望ましい。<引用終わり>

術後臭という医学用語はない

先にお伝えしておくと、術後臭というのは医学用語ではありません。ワキガ手術を受けた後に臭いが気になる事を、ネット上で術後臭と呼んでいるようです。

上の引用文に書かれている通り、医学的には術後臭はあまり認められていません。また、正確な原因もわかっていないのが現状です。

一般的には、ワキガ手術後に他の部位から感じるようになった臭いのこと

引用文の内容を分かりやすくまとめると、術後臭がする状態というのは、ワキガ手術後にワキの臭いは改善されたが、アポクリン腺が存在すると言われるデリケートゾーンや乳輪部から気になる臭いを感じるようになるという状態です。

せっかく何十万も払って、痛みを我慢してワキガ手術を受けたのに、身体の嫌な臭いが消えない…と悩んでいる方も実際にいらっしゃいます。

術後臭が出るかどうかは個人差が大きい

この術後臭が出るかどうかは、個人差がとても大きいもので、ワキガ手術ですっかり臭いから解放された方ももちろん大勢いらっしゃいますし、ワキガ手術後に術後臭に悩んでいる方も実際にいらっしゃいます。

特にネットの書き込み等ではわざわざワキガが治りましたと書き込む方は少ないので、「手術を受けたのにまだ臭う」「受けるんじゃなかった」といった口コミが目立ってしまいがちだという側面もあります。

術後臭の原因として考えられること

こんな辛い術後臭の原因は一体何なのでしょうか?原因としては、いくつか考えられるものがあります。

ワキガが改善されたことで、元々の体臭(皮脂や汗の臭い)が気になるようになった

まず、ワキガが改善されたことで、元々の体臭が気になるようになったという可能性です。今まではワキからの強い臭いを感じていましたので、そちらに気が向いて元々の体臭に気が付いていなかった可能性があります。

人間の鼻は五感の中では鈍感な器官なので、強い臭いが近くにあると、その他の弱い臭いをかぎ分けられなくなるのです。

また、ワキガ手術は汗腺の中でもアポクリン腺の破壊を主な目的としていますので、もうひとつの汗腺であるエクリン腺に関しては一部は破壊されますが、残るものもあります。ですのでエクリン腺から出る汗の臭いは消えません。

エクリン腺から出る汗の臭いというのは、例えば運動をした後にかく汗の臭いです。酸っぱいような臭いで、一般的に『汗臭い』と言われるものはこのエクリン腺から出た汗の臭いです。

この臭いは、ワキガ体質でなくても誰でも出している体臭のひとつです。ワキガに当てはまらない正常な臭いなので、手術で取りきる対象にはなりません。

ワキ以外のアポクリン腺がある部位(乳輪・陰部など)からの臭い

ワキガ以外にも乳輪や陰部などに同じくアポクリン腺が原因となる臭いの元を抱えていた可能性もあります。乳輪周りならチチガ、陰部ならスソワキガと呼ばれる症状です。こちらもワキが顔の近くにあるためどうしてもワキに意識が向きがちで、手術前は気が付いていない方も大勢いらっしゃいます。

一般的に、ワキガを持っている方は、スソワキガやチチガにもなりやすいようです。これはもともと生まれ持ったアポクリン腺の数が多いためです。スソワキガやチチガも、ワキガと同じく重度であれば手術の対象となる症状です。当てはまるかどうかは、ワキガと同じくクリニックで診断を受けることが出来ます。

ワキガ手術後の自臭症の可能性も

また、術後臭を訴える方の中には、自分の臭いを極度に気にしてしまう『自臭症』もしくは『自己臭恐怖症』と呼ばれる状態に陥っている方もいらっしゃいます。

自臭症というのは、「臭くないだろうか?」「他人になんとも思われていないだろうか?」そんな風にワキガの手術を受けても心の中でで不安を感じているうちに、些細な自分の体臭や汗の臭いを過敏に感じ取ってしまう状態のことを言います。

中には、同級生が臭いの話をしているのを聞いただけで自分の事ではないかと不安になり、学校に行けなくなってしまう方もいるそうです。悲しいですがワキガの手術の後に自臭症に陥ってしまう方も多く、このような場合は手術を受けたクリニックではなく精神科での治療が適切であるとされています。

精神科では社会不安障害と呼ばれる、他人との関わりに強い不安を抱える方に対する治療を受けることが出来ます。治療を受けることで、自分を受け入れて自信を取り戻していければ、少しずつ臭いへの恐怖を克服していけることと思います。

自臭症はワキガの臭いに長年苦しんできた疲れが手術への緊張感からどっと表に溢れ出した状態でもあると思っています。どうか自分を責めないで、周りの方の温かいサポートを得ながらゆっくりと回復していけるよう祈っています。

また、自臭症であったからといってデオドラント対策をしてはいけない訳ではありません。良い香りのコロンや柔軟剤を使ってみると気分よく過ごせることもありますし、これをきっかけにアロマセラピーなどの特技を得られるかも知れません。人にはわからない臭いも感じられるというのは長所のひとつでもあるという捉え方もまた、素敵ではないかと思います。

術後臭の対策

それでは、術後臭の具体的な対策を考えてみましょう。術後臭が残った場合に臭いのない身体を目指すためには、どうしていけばよいのでしょうか?

まずは手術を受けた病院で相談して原因を探る事が大事

術後臭の対策として、まずは気になる臭いがどこからくるものなのかしっかりと原因を探る事が大切です。体臭なのか、はたまたスソワキガやチチガなのか、それとも精神的な側面が含まれるのか。それがはっきりとするだけでも不安が晴れる方もいらっしゃいます。

「せっかく手術してもらったのに、変に思われないかな」と思わずに、不安なことはすべてかかりつけのクリニックで相談しましょう。気軽に相談する為にも、やはりはじめに手術を受けるクリニック選びと医師との信頼関係が大切になってきます。ワキガの手術を受けるときにはカウンセリングをしっかりと受けて、不安を解消した状態で手術に踏み切るようにしましょう。

術後臭の原因がスソワキガやチチガなら、手術も検討しよう

クリニック相談をすると、術後臭に対してもなんとなくの主観的な臭いではなくしっかりとした客観的な基準を持って、臭いの判断をしてくれます。その結果、スソワキガやチチガが隠れていた場合には改めてスソワキガやチチガに対する治療を受けることが出来ます。

手術という選択肢もありますし、デリケートゾーンや乳輪部の場合は傷のつかないミラドライなどの切らないワキガ手術を選択される方も多いようです。ワキガの手術前よりは確実に臭いは減っているでしょうから、改めてデオドラントクリームなどを試してみるのもよいかもしれません。

たとえスソワキガやチチガが隠れていてもとれる方法はまだまだありますから、あきらめずにまずはカウンセリングを受けたり、情報収集をしてみるようにしましょう。

まとめ

ワキガの手術を受けるだけでも一大決心だったのに、手術後また嫌な臭いが復活して来たら、振り出しに戻ったような気がして心が折れてしまいますよね。でも、あなたは振り出しに戻ったわけではありません。ひとつ克服出来たからこそまた新たな問題が見えたのですから、また少しずつ克服していけば大丈夫です。

一度勇気を出せたあなたなら、大丈夫です。一歩ずつ、でも確実に、臭いのない未来に向かって歩みを進めてくださいね。

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